お客さんを特別扱いすることの是非

顧客満足度アップ作戦、その4だ。

 

ロイヤルカスタマー・マーケティングによると、サービス業で大事なことは、「お客様一人一人を、特別扱いすること」ってことになるようだ。

 

サービスというのは、根本的に誰かが誰かの代わりをしてあげるという人間対人間のものなのだが、特別扱いされるとうれしい人が多い。

 

ところが、特定の人を特別扱いしてしまうと、特別扱いされない人に不満が出る。

 

ココが実はやっかいな部分でもある。

 

たとえば禁煙のお店でも、どうしてもタバコを吸いたい人のために、場所を用意することは、大事なことだ。

 

だけどそれを特定の人だけに許すのは、不公平感が出て、裏切り率が上がる。

 

嫉妬という感情やね。

 

だからサービス業は、公平感が大事なんだけど、それでも一人一人に特別扱いしている感を作らないといけない。

 

お客さんに公平に対処しつつ、それぞれを特別扱いする。

 

禅問答みたいやね。

 

お客さんに選択肢を提供するということ

お客さんを特別扱いする方法で、なおかつお客さんを公平に扱う方法。

 

これは結局、他のお客さんとの差別化は、しないと言うことになる。

 

他のお客さんより良い扱いをすることによって、そのお客さんを特別扱いするのは、非常にまずい。

 

これは、お客さんを序列化して扱っているということだから。

 

お金持ち相手の高級サービスなら、こういう事も可能だろうが、不特定多数のお客さんに来てもらわないと営業が成り立たない場合は、無理。

 

となると、他のお客さんと差をつけるのではなく、お客さんのわがままをうまく聴くことが必要になってくる。

 

その一つの方法が、「サービスを選んでもらう」ということだ。

 

たとえば、関西ではお好み焼き屋に行くと、材料が出てきて、自分で焼く場合が多い。

 

あるいは、店員がネタをばしゃばしゃとかき混ぜて、鉄板に広げてくれるだけで、後はおまかせと言うところも多い。

 

東京でも、もんじゃ焼きは、材料だけ来て、自分たちで焼いて食べるものだ。

 

こういうセルフサービスは、お店側が、お客さんに「料理を作る経験してもらう」という事を提供しているわけだ。

 

だから一見手抜きのようにも見えるが、みんな楽しそうに、なんだかんだ言って焼いている。

 

しかし中には、そう言う風に自分でやるのが面倒なお客さんもいる。

 

自分で焼くと旨く焼けないので、焼いてもらいたい。

 

そう言う人もいる。

 

そう言う場合には、お店で焼いてくれるサービスがないと、お客さんは不満に思い、他の店に行く可能性もある。

 

しかしここで、特別扱いとして、お客の代わりに焼いてあげると同じ事を感じている他のお客さんに不満が生じてしまう。

 

なので、「お手伝いをご希望のお客様は、お知らせ下さい」などと、どこかに書いておいた方が良い。

 

特別扱いというのは結局、お客さん一人一人が、して欲しいと思うサービスを提供するってことで、それによって他のお客さんが不満に思わないような工夫が絶対に必要なのだ。

 

女性の顧客が多いサービス業の場合は、特に気をつける必要がある。

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