顧客満足度とは、「なんでもできます」と言うことではない
顧客満足度というのがある。
お客さんが、商品やサービスに対して、どれくらい満足しているかと言うことを数値化したモノだ。
しかしこの顧客満足度というやつ、なかなかのくせ者だ。
気軽に「顧客満足」と口にする人は、たいてい勘違いしていることが多い。
というのも、軽く顧客満足度を口にする人は、とにかくたくさんサービスすればいいと思っている。
「あれもできます、これもできます」安っぽいセールスマンのように、やまほどできることを言う。
しかしお客さんは、そんなモノは実は望んでいなかったりする。
2000年ころに、「ワン・トゥー・ワン・マーケティング」や「ロイヤル・カスタマー・マーケティング」などという手法が話題になったが、お客さんは「自分が必要としているサービスを、過不足なく欲している」のである。
だから、あれもこれもできるようなサービスは、かえって邪魔だったりする。
そしてまた、最初に「あれもできます」「これもできます」と言ってしまうと、実際にそれだけのサービスが提供できなかった場合、顧客を裏切る場合が多くなるので、顧客満足度が大きく下がる。
こういうのを、「裏切り率」とよぶ。
顧客満足度とは、実は裏切り率を下げることと、よい意味での裏切りをすることによって、上がるものなのだ。
飲食店で、顧客満足度を上げる方法
顧客満足度は、競合するお店やサービスが多いとき、非常に大きな鍵となる。
あまたある飲食産業で、生き残って営業を続けるには、顧客満足度を上げてお得意客やリピーターを獲得することが大切だ。
そのための、さまざまなサービスのノウハウが存在する。
たとえば、ビールや飲み物、お吸い物などの「お代わり」の注文があったとき、器は下げて、新しい器で提供しないといけない。
からになった器を残しておいたり、下げた器に新しい中身を入れて出してはいけない。
必ず新しい器で新しい中身で出す。
暖かいものなら、器も暖かくして、冷たいものなら、器も冷やす。
これはサービスの原則だ。
また、閉店間際のお客さんや、閉店後にお客さんが来た場合、閉店時間を少し延長するのも、大事なことだ。
のれんを下げたり、お皿を洗ったりするのも、お客さんの食事に差し障りのない範囲で、行えばよい。
飲食店では、食事を楽しむ雰囲気や、落ち着いて食事できる雰囲気を、常に用意していないといけない。
だからお客さんが来たときには、必ずその雰囲気を壊さないように、丁重にもてなすことが大事だろう。
顧客満足度というのは、そうした、ちょっとした無理が利くことによって、上がるものだという。