顧客の小さな不満を、いかに拾い上げるか

顧客満足度の話、5回目。

 

お店を開いて、お客さんがついたと思ったのに、いつの間にかお客さんが少しずつ減っている。

 

そう言う場合は、目立たないところで失敗している可能性がある。

 

たとえば、飲食店で提供する食器類。

 

いくらセンスの良い食器を使っていても、食器が欠けていたら興ざめだ。

 

安っぽいナイフやフォークも興ざめだが、安さが売りの定食屋でない限り、茶碗や皿が欠けていたら、もうダメ。

 

欠けた食器は見た目が悪いだけでなく、ケガもしやすいわけだから、お客さんのことを考えているとは到底思えない。

 

それから取り皿や、骨や殻などを捨てる皿をあらかじめ出さないお店。

 

一人では到底食べられないような料理や、二人以上で分けれるような料理を出しているのに、取り皿を同時に持ってこない店。

 

鶏や魚などを骨付きで出したり、エビやカニ料理をから付きで出したりするのに、その骨や殻を入れるモノを持ってこない店。

 

気が利かないと言うレベルではなくて、サービスに一貫性がない。

 

こういう店は、足が遠のいても仕方がない。

 

牛角や大戸屋が伸びた理由とは

こういう細かな不満を、根気よく拾って大きくなったのが、牛角や大戸屋だ。

 

今や全国展開している焼き肉チェーンの牛角や、定食チェーンの大戸屋も、始めはただの焼肉屋や定食屋だった。

 

牛角は、焼き肉を安い値段で提供するというスタイルで始めたのだが、お客さんが日に日に減っていったらしい。

 

その原因がどこにあるのか、牛角では、代金を値引きするのと交換で、お客さんに、あえて食事やサービスの不満や文句を言ってもらうという策に出た。

 

そこで出てきた不満や文句を一つ一つ解消することによって、どんどん顧客満足度を上げていったわけだ。

 

大戸屋も、元は池袋で50円食堂という名でたいへん人気だったそうだが、2代目社長がチェーン展開を思いたち、そのために食堂のコンセプトを掘り下げた。

 

若い女性にしっかりした食事をとってもらおうと考え、やはり割引券と交換にアンケートをもらい、それを一つ一つ解決・改善していった。

 

従業員のユニフォームから、食堂のテーブルや椅子の高さ、料理の味付けなど、あらゆる改善点が見つかったらしい。

 

そうやって、細かな小さな不満を見つけ出しそれを解消することによって、リピーターを増やしていったわけだ。

 

「お皿が欠けていたって構わん」「取り皿を出さなくても構わん」そういう店側の判断ではなく、あくまでもお客さんの不満を拾って何らかの解決策を出すこと。

 

これが顧客満足度アップにつながったというわけだね。

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