ダイソーのビジネス戦略 ワンプライス戦略とは?
「ワンプライス戦略」とは、均一価格で展開するビジネス戦略だ。
売る商品の価格を一種類にして販売することで、お客さんは値段を気にせずに買い物することができる。
予算によって買える数が決まるので、数だけ気にしておけば良い。
全皿120円の回転寿司とか、一品298円の居酒屋などが、ワンプライス戦略になる。
定食屋チェーンの大戸屋も、もとは50円均一でおかずを出していた食堂だったね。
こういうワンプライス戦略は、チェーン展開に適しているようで、均一価格のチェーン店は多い。
たとえば100円ショップのダイソーは、店内のほとんどの商品を、税抜き100円で販売することで大企業になった。
ダイソーがなぜ100円ショップを始めたのかは、様々なところで紹介されているので、大雑把にまとめておくと、こうだ。
ダイソーの創業者の矢野氏は、広島で1970年代に創業した。
当初は2トントラックで出張して、家庭用品を移動販売をするビジネスだった。
スーパーなどの駐車場を借りてトラックを駐車して店を開き、露店販売を行った。
当時の地方のスーパーは食品専業スーパーが多く、家庭用品や雑貨などは必要最小限のモノしか扱っていなかったため、矢野商店の出張販売は重宝されたらしい。
そして行く先々でお客が殺到して、代金の計算が面倒になってきたので、思い切って商品価格を100円に統一したのだという。
100円均一なら、個数で代金がすぐに計算できるから、買い手も売り手も楽だしね。
もちろん、当時から100円均一で商品を売る移動販売業者はいた。
ただ100円で売って儲けるため、安い原価の商品を中心に仕入れていた。
そのため100円均一ショップは、「安かろう悪かろう」という二流のビジネスだった。
そこでダイソーは「安かろう悪かろう」を打破するため、値打ちのある100円均一商品の開発に力を入れた。
同業者が仕入れないような原価率が高い商品を仕入れ、ほとんど儲け無しで100円で売った。
70円で仕入れた商品と、90円で仕入れた商品とでは、明らかに見栄えも違うので、それがセールスパワーとなって、様々なスーパーなどから移動販売の依頼が殺到した。
そうして従業員も増え、トラックも増えてビジネスが拡大したあと、ようやく常設の店舗を持つようになった。
ダイソーの創業は70年代前半だが、最初に常設の100円ショップを出したのは、なんと1991年だというからちょっとビックリだ。
ダイソー、利益1円でもメーカーが日参する「規模の力」の凄まじさ | 今月の主筆 大創産業会長 矢野博丈 | ダイヤモンド・オンライン→ http://diamond.jp/articles/-/167226