「お客様第一」は、掲げるとダメな理念
経営者が好んで使う言葉の一つに、「お客様第一」「顧客第一」と言う言葉がある。
これはハッキリ言うと、ウソに近い。
というか、抽象的で具体性がない。
コムスンなど、お客様第一、顧客第一を掲げた企業が、不正が発覚して廃業する例は、よく耳にするから、これは掲げるべき言葉ではないのだろう。
少なくとも一般のサービス業に関しては、顧客を無視したら経営が成り立たないので、顧客満足度を上げるという作業に集中すべきかも知れない。
で、顧客満足度を上げるアイディアとしては、最近、コンシェルジュサービスなるモノが、登場した。
百貨店や家電量販店で、いろんな商品をまとめ買いるお客さんに、ベテラン店員がついて案内するというサービスだ。
新しく引っ越してきたが、家電製品を一式揃えたい。
しかし、各売り場で品物を選ぶのは、時間のかかる面倒な作業なので、ベテランの店員についてもらって買う商品を決めていくというものだ。
お客さんが求めているのは、自分のために動いてくれること
コンシェルジュというのは、ウィキペディアの記事を参考にすると、フランス語で、「集合住宅(アパルトマン)の管理人」と言う意味。
ここからホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」「よろず相談承り係」の職名として使われているということだ。
宿泊客のあらゆる要望に応える事をモットーとしているらしい。
まあ何でも要望に応えるとは行っても、コンシェルジュのランキングでは、なんと、何にもせずに時間つぶしをしていたコンシェルジュが選ばれたりしたというから、結構変わった職種ではある。
ちなみに私の記憶によると、ホテルのお客様の無理な注文に対して、一日がかりで調べた体で何もなかったと報告したと言う話。
元々無理な注文なのは分かっていたので、実際はカフェでのんびり時間をつぶしていたとか。
まあしかし、コンシェルジュというのは探偵ではないのだから、結果は出さなくて良いようだ。
お客さん側としては、商品やサービスが、あるかないか分かれば良いだけなので、それが分かった時点でおしまいって事だ。
ただ、それを半日かかって調べましたよ...という体が、顧客の満足をアップさせたと言うことらしい。
だから、結果は分かっていても、お客さんのために行動するって言うことは、顧客満足には大事なんやね。
お客さんは、迷っている
買い物を決めかねているお客さんというのは、基本的に迷っているわけだ。
だからそう言うお客さんのために、お薦め商品やお薦めメニューというのを用意しておくというのが、売り上げアップや、顧客満足アップにつながる。
コンシェルジュ・サービスだって、お客さんが何を買ったらよいか迷っているから、必要なサービスって事やね。
迷っているお客さんに、「これが良いですよ!」と提案する役目が、コンシェルジュ・サービスってことになる。
なので、コンシェルジュ係を作る余裕がなくても、お薦めのサービスをいくつか用意しておけば良いって事になる。
女性用、御年輩用、お子様用、日替わりメニュー、店長のお薦め、いろんなやり方があると思うが、お薦めが選べるくらいあれば、十分だろう。
書店や小売店では、手書きのPOP(ポップ)が売り上げを上げるとしてよく使われているが、アレなども一種のお薦めってことだ。