繁盛店は、お客さんの様子を見守っている

飲食店における、顧客満足度アップ、その2顧客満足度を上げるには、「裏切り率」を0にすることが大事だと前回書いた。

 

裏切り率というのは、お店が提供する商品やサービス内容とお客さんが受け取った商品やサービスの内容のギャップを言う。

 

だから、「あれもできます、これもできます」と言って、お客さんを集めた場合、たいてい裏切り率は大きくなる。

 

なぜなら、お客さんは「あれもこれもできる。

 

お得だ!」と思って、その商品やサービスを購入するからだ。

 

ところが、実際には、それを利用してみたときに、さまざまな制約などがあったりして、すべて利用するのは難しいことに気づく。

 

フライパンにも使える、煮物にも使える、保存用にも使える...でも、どれか1つにしか使えない。

 

そんな感じになるからだ。

 

だから、裏切り率を0にするためには、お客さんにアピールする際には、確実にできることだけをアピールしないといけない。

 

出来もしないことを言うのは言語道断だが、いろんな事ができると言うのも、言語道断だ。

 

フライパンや鍋は、1個買ったら後は必要ないので「何でもできます」商法のような売り方が可能だが、サービス業は、リピートしてもらわないと続かない。

 

サービス業とは、お客さんを見守ること

サービスというのは、代行・経験・変身という三つのジャンルに分かれる。

 

代行(デリバリー)というのは、お客さんの代わりに作業をするって事。

 

経験(エクスペリエンス)というのは、お客さんに何かの経験をさせるって事。

 

変身(トランスフォーメーション)とは、お客さんを、別の姿に変えると言うこと。

 

繁盛する店というのは、この三つの要素をしっかり揃えている。

 

たとえばレストランでは、お箸やフォークなどを落とすと、ホール係の人がすぐに来て拾ってくれる。

 

「失礼しました」と小声で言い、代わりのモノを持ってきてくれる。

 

静かな場所で大きな音を立てたら、たいていの人は萎縮してしまうので、「大丈夫ですか」などと声をかけてくれることもある。

 

それによって、お客の側は、ホットする。

 

ここで大事なのは「お客さんを、見守っていますよ」という態度で接することだ。

 

拾うのは代行だが、それだけでは経験にも変身にもならない。

 

「この店に来ると、自分は見守られている」という経験がプラスアルファされる事が大事だ。

 

単に落ちたナイフやフォークを拾ってくれるだけでは、そういう要素は加わらない。

 

繁盛している定食屋さんや、高級ホテルなどは、得意客の顔をちゃんと覚えて対応しているが、そこには、そういう違った種類のサービスがあるわけだ。

 

「家庭的」「親しみやすさ」などといった表現は、この「見守っている」という態度から出てくるらしい。

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