経営戦略も、必要か?
経営に当たって、まず経営理念が必要だ。
自社がどういう経済価値を提供し、社会でどういう位置づけを目指すのか、それをまずハッキリさせる。
たとえばコンビニを経営するなら、24時間消費財を供給し、地域の人々に利便を与える、と言ったところだろうか。
ラーメン屋なら、人々の空腹を癒し、ホッとする一食やひとときを提供するとか、経営者それぞれの理念があるだろう。
で、次に必要なのが、経営戦略というやつだ。
戦略というのは、目標達成のために、どういう作戦で行くのかと言うことだ。
経営を続けるためには、売り上げがないといけない。
売り上げとは、何らかの経済価値を誰かに提供した見返りだ。
だから、誰に、どのような経済価値を提供し、そしてどれくらい対価をもらうか、そしてそのためにどうするか、こう言ったことが経営戦略になる。
もちろん最初は、自転車操業的に、ただお客を集めて、ただモノやサービスを買ってもらって、ということになるだろう。
しかしそれではやがて行き詰まる。
というのも、顧客というのは別にずっと自分の顧客であり続けるわけではないからだ。
新規顧客をどう獲得し、既存顧客をどう維持するか。
あるいは、会社に負担となる顧客をどうするか。
何でも屋では、疲弊するだけである。
何をやるか、「選択と集中」を常日頃から考えて行動しないといけないだろうね。
経営にとっては、できることとできないことをハッキリさせる必要がある。
何でもかんでもできる、というのは、ベストのようでいて、逆に何にもできないのと同じだ。
顧客は、顧客それぞれにピッタリのサービスを求めている。
食べれればいい、使えればそれでいい。
そう言ったニーズがあることも確かだけれど、もっと細かくニーズに適した商品やサービスを求めているお客さんもたくさんいる。
別の言葉で言うと、ボンヤリとしたニーズに対応したサービスだと、顧客がつねに他に流出するリスクがある。
「いつでも他へ行ってください」と言うことを行っているようなものだ。
一般的なニーズに応える財やサービスというのは、他にもたくさんあるので、競争が激しい。
そのため、当然ながら価格競争になり、儲かりにくいビジネスになる。
逆に、特定の顧客のニーズにだけ対応した財やサービスは、安定した顧客をつかめるし、もしかするとお金をたくさん払ってくれるお客さんかも知れない。
こういう「特別なビジネス」は、1万人の商圏で商売していたとしても、顧客となる可能性があるのは、数百人程度、あるいは数十人くらいかもしれない。
その中で、どの数百人、どの数十人を見込み客にするのか、セグメントや属性を、選ばないといけない。
顧客を選んで、それにピッタリの商品やサービスを揃える。
それがつまり、経営戦略と言うものだ。